インプラント用語集

毛髪のインプラント(自毛植毛)

毛髪のインプラント(自毛植毛)の概要

自毛植毛(じもうしょくもう)は、患者自身の健康な毛髪を薄毛や脱毛が進行している部位に移植する外科的治療法です。この手法は、自然な見た目を取り戻すために特に効果的とされています。自毛植毛は主に男性型脱毛症(AGA)に対する治療として利用されることが多いですが、女性の薄毛治療や、火傷や外傷による毛髪損失の修復にも適用されます。

 

自毛植毛

自毛植毛のメリット

  1. 自然な仕上がり:
    • 自身の毛髪を使用するため、移植後の毛髪は自然に見えます。また、移植された毛髪は通常の毛髪と同様に成長し続けるため、メンテナンスも自然な毛髪と同様に行えます。
  2. 長期的な効果:
    • 移植された毛髪はドナー部位(通常は後頭部や側頭部)から採取されるため、男性型脱毛症の影響を受けにくい特徴があります。そのため、移植後も脱毛が進行することは少なく、長期的な効果が期待できます。
  3. 低メンテナンス:
    • 移植された毛髪は通常の毛髪と同じように成長し、特別なケアを必要としないため、低メンテナンスで自然な見た目を保つことができます。

自毛植毛のデメリット

  1. 手術のリスク:
    • 他の外科手術と同様に、自毛植毛にも出血、感染、瘢痕形成などのリスクが伴います。術後の回復期間には注意が必要です。
  2. 費用:
    • 自毛植毛は高額な治療法です。施術費用は移植する毛髪の本数やクリニックの料金体系によりますが、数十万円から数百万円に及ぶこともあります。
  3. 時間がかかる:
    • 手術は数時間に及ぶことが多く、また、完全な結果が得られるまでには数ヶ月から1年程度の時間がかかることがあります。
  4. 限られたドナー部位:
    • ドナー部位として使用できる毛髪の量には限りがあるため、大規模な薄毛には対応が難しい場合があります。また、ドナー部位が薄い場合や、毛髪の質が悪い場合は、期待した効果が得られないこともあります。

自毛植毛の術式

自毛植毛には主に以下の2つの術式があります。

1. FUE(Follicular Unit Extraction)

FUE法は、毛包単位(1~4本の毛髪が生えているグループ)を一つずつドナー部位から採取し、移植部位に移植する方法です。FUE法の主な特徴は以下の通りです。

  • ミニマル侵襲: 小さなパンチを使用して毛包を一つずつ採取するため、傷跡が小さく、回復が早いです。
  • 自然な仕上がり: 毛包単位で採取・移植するため、自然な見た目が得られやすいです。
  • 長い施術時間: 毛包を一つずつ採取するため、施術時間が長くなりがちです。

2. FUT(Follicular Unit Transplantation)

FUT法は、後頭部や側頭部から細長い皮膚のストリップを採取し、その中から毛包単位を分離して移植する方法です。FUT法の主な特徴は以下の通りです。

  • 効率的な採取: 一度に多くの毛包を採取できるため、大規模な移植に適しています。
  • 目立つ傷跡: 皮膚のストリップを採取するため、ドナー部位に線状の傷跡が残ることがあります。
  • 短い施術時間: 一度に多くの毛包を採取できるため、施術時間が比較的短くなります。

他の薄毛治療との比較

自毛植毛は他の薄毛治療法と比較して、以下のような点で異なります。

1. 薬物療法

フィナステリド(プロペシア)やミノキシジル(ロゲイン)などの薬物療法は、脱毛を遅らせる効果がありますが、完全な回復は期待できません。また、薬物療法は継続的な使用が必要であり、中止すると脱毛が再発する可能性があります。

2. 非外科的治療

低出力レーザー治療やPRP(血小板濃縮血漿)療法などの非外科的治療は、毛髪の成長を促進する効果がありますが、自毛植毛ほどの効果は得られないことが多いです。これらの治療法は比較的安全で副作用が少ないため、軽度の薄毛や予防的な治療として利用されることがあります。

3. カツラやヘアピース

カツラやヘアピースは即座に見た目を改善する方法ですが、定期的なメンテナンスが必要であり、自然な見た目を維持するのが難しいことがあります。また、カツラの使用には心理的な負担が伴うことがあります。

 

日本皮膚科学会による薄毛の治療法の評価

評価概要
A行うよう強く勧める
  • -ミノシジル外用
    (男性5%、女性1%)
  • フィナステリド、デュタステリド内服 (男性)
B行うよう勧める
  • -自毛植毛(男性)
  • アデノシンの外用 (男性)
  • LED および低出力レーザー照射
C1行ってもよい
  • -自毛植毛 (女性)

-塩化カルプロニウムの
外用医薬部外品・化粧品
の育毛剤の外用(t-フラ
バノン他)

C2行わないほうがよい-ビマトプロストおよびラタノプロストの外用
成長因子導入および細胞移植療法

参考日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 

科学的根拠のある治療法

男性型の自毛植毛手術は2017年に発表された
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(日皮会誌:127(13),2763-2777)で、
フィナステリドやミノキシジルといった
医薬品の推奨度Aランクに次いで
推奨度Bランク(行うよう勧める)。
薄毛の治療法として科学的根拠のある外科手術です。

 

結論

自毛植毛は、自然な仕上がりと長期的な効果が期待できる優れた薄毛治療法です。しかし、手術にはリスクが伴い、高額な費用がかかるため、他の薄毛治療法と比較しながら、患者個々の状況に応じた最適な治療法を選択することが重要です。自毛植毛を検討する際には、経験豊富な医師との相談が不可欠です。

インプラント治療

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